印刷にまつわるエトセトラ

印刷=版画!?版の違いが技術の違い

印刷は大きく分けて平版、凹版、凸版、孔版という4つの手法がある。版という言葉が示す通り、これらの印刷方法は大きな枠でとらえれば版画と同じ仲間と呼べるだろう。版画にもいろいろな種類があるように印刷も版の違いによって、さまざまな技法や特徴がある。

エトセ表.jpg

平らな版から刷れるのは「水と油」のおかげ

オフ図2.jpg版に凹凸があったり、穴が開いていたりする他の印刷方法と比べて、平たい版でインキを転写するというのは、どうも理解しにくい。(凹版も同様だが)オフセット印刷は平版の代表格とされるように、版自体は”真っ平ら”(に近い)。版に凹凸がないならどの様にインキを転写するのか?その答え「水と油」にある。
オフセット版の画線部は脂肪分でできている。この版全体を一度水でぬらすと脂肪分(油)の上には水が残らない。その後、全体にインキを盛ると脂肪とインキはくっつくが水と油は反発する。そうした反発性によってオフセット印刷は行われている。因みにオフセットはインキが付けられた版を一度ゴムの銅に転写(off)してから、間接的に紙に移す(set)ことから付けられた名前。

凸版と平版の違い

凸版では版に付いたインキを印刷物に押し当てるため、版の端にマージナルゾーンと呼ばれるインキの盛りあがりが見られる。この為、境界線が明確で、力強い印象を与えてくれ、特に文字版の印刷に適している。一方平版えは、ドットが均等の大きさにならず、縁が少々ぼやけて見える。これは逆に豊かな階調を表現しやくすなり、軽快でソフトな印象を画線に与えてくれる。また細かい文字や小さな文字もクリア&シャープに表現してくれる。

プロセスインキも万能ではない

オフセット用に開発されたプロセスインキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)4色は、CMYKの内CMYの3色のアミを100%ずつにすると黒に近くなるように、プロセスインキは各色のパーセンテージを上げる程、色が濃く、そして暗くなっている為、濃く明るい色を再現する事は難しい。

「インク」じゃなく「インキ」?

一般的にインクと呼ばれているのに、なぜか印刷業界では必ずインキと呼ばれる。インクの語源はラテン語の「encaqstum」から「ink」へと派生しているようだが、インキの語源はオランダ語の「inkt」。これが派生してインキト→インキとなったという説が強い。印刷業界では、インクは液体、インキは半固形という意識もあるときくし、用字用語集えは「インキは印刷用、インクは筆記用」とも書かれている。以上の事から印刷用に使われるものはインキ、それ以外のものをインクと呼ぶのが通説と考えられる。

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